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la panxa

食べることは生きること


幼い頃、同居していた祖母がスーパーで買った袋パン。

家の北側にある納戸に置いておいたものを祖母が忘れ、母が見付けた時は賞味期限が一ヶ月以上過ぎていました。

でもパンは買った時のまま。

腐敗することなく、変色することなく。

去年の真夏、気温も湿度も高い時期に私が焼いた食パンは

六日目にうっすらとカビが生えていました。

そう。

これが食べ物の腐敗の標準。

混じりけのないものの証拠です。

母が腐敗しない袋パンを見て

もう怖くてとてもじゃないけど子供になんて食べさせられない、と言っていました。

当時は深く考えなかった私も食べ物に携わる仕事をしている今、

甥っ子や姪っ子、友人の子供、赤ちゃんを身近に感じるようになった今、

それがいかに怖いことか感じるようになりました。

なぜいつまでもふわふわなのか、

なぜ長い時間同じ味を保てるのか、

なぜ腐敗しないのか、

それは食べ物ではない身体に入れることができるものが入っているから。

私の焼くパンは時間が経てば腐敗します。

味も落ちるし、固くなる。

それが食べ物の普通なんです。

小麦粉、卵、塩、水。

シンプルな材料で作られたものの証。

私たちの身体は食べるものでできています。

血になり、肉になり。

その食べたものが必ずその後の生活に影響を与えるはず。

だからといって私はものすごく気を使っているわけではありません。

スナック菓子も食べるし、炭酸飲料も飲みます。

今のご時世、完全に避けて生活をするのは難しいものです。

難しいし、そこまで避けなくてもいいと思っています。

そういうものの美味しさも間違いなく有るものです。

食べることは生きること、そして楽しみでもあるから。

只、見極める目だけは持っていたいと思います。

選ぶという意識は無くさないでいたい。

今成長期の子供たちにはできる限り混じりけのないもので育って欲しい。

お店をはじめて半年。

そんな想いが強くなるこのごろです。

混じりけのないもの、出せる限りの最大限の美味しさ。

私がパンやお菓子を焼くことで意識していきたいこと。


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